卯花ロクです。

房野聖様のオリジナルイラスト
「翳りゆく肖像」
その物語をもとに
曲を書き下ろしさせていただきました。

よろしくお願いします。

■絵/物語:房野聖
X(旧twitter):https://x.com/gumi_seijin

■曲:卯花ロク
X(旧twitter):https://x.com/ukaroku

[歌詞]
誰かの願いを形にして 私がまた掠れていく
学生鞄の埃ですら形を成しているのに
沈んだ朝が夜に溶けても 再び朝に成れるのに
私は何かが擦り減るだけ
私は誰?誰だった?

筆を巻きつけて 錠剤で目を開け
目眩の中 なにかを形にした
誰もが望んだモノは
溢れるほど手に入れたのにな
虚しかった

憧れた世界があったのに
叶えたい理想があったのに
埋もれて見えなくなっていた
掻き分ける精も消えてたんだ
私が選んだことなのに
受け入れて 流されたくせに
虚しさとか烏滸がましいね
願いがまた一つ完成した

誰かの願いを形にした夢を見てた 覚めていた
馴染んだ痛みが骨に伝う
痛がる作法ってなんだった?
水垢窓から差した茜 照らすは無数の賞状と
黄ばみだした真っ白なキャンバス
私の価値ってなんだった?

掠れて私がわからなくなったあの日から
もう手遅れだったのでしょう
擦り切れ 無くなってしまう
その前に仕上げてしまおう
私の生涯

誰かの願いは形にでき
私の理想はできなくて
時間だけが無駄に去っていた
乾いた冷笑いが溢れ出した
初めは私がいたのにな
気づけば私はいなくなって
流れ着いたのはカラだった
仕上げの縄に手をかけた

未完のままで横たわる私
惨めで 涙と蹲る
視界の先で懐かしい絵本が見つめてた

憧れた世界はあったこと
叶えたい理想はあったこと
近すぎて気づけなかったこと
今更ね やっと見つけたんだ
滲んだ想いを描き殴り
喜怒も哀楽も描き晴らす
無秩序なノートが出来上がる
それがただ誇らしかった

空々の胃に食パンを流す
痛みがどこか嬉しかったな
この日 私は画家である私の幕を閉じた