第一話

絡まった指先が解けなくて

吐き出した溜息は実と生って
つくろった言葉に落ちていく

悲劇ってかみさまのしわざで
課せられた役を背負っている

何となく選びとった
無価値なこの痛みが牙を剥く

愛してる、愛されてる、の境界線
わたしの揺れ動くこの穴を埋める誰かの言葉を
ただ乞う

どんなに笑えなくても笑うしかない、それは君の生だ
望めば望むほどにもう遠くなっていく

手には入らないね!

じゃあもやせすべて
かこもいまもみなきえてくれ
そらにおちるはいと
きみのきずあとかくすやさしさ

燃やしてしまったんだ

祈っていよう

愛してる、愛されてる、の境界線
わたしの揺れ動くこの穴を埋める誰かの言葉を
ただ乞う

Music,Words,Movie / 犬飼
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Illustration / みさき
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自身は慈愛を知らず、片割れは赫怒を孕まず。九夏の夜に焼け落ちる灰を眺めているだけで、旧知の悲壮な結末を懐うだけで、この目には、焔より黒く、藍より深い厭悪が宿る。
もう帰る場所はなくなってしまった。
故に、あとは祈るだけだった。

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