【ウ”ィ”エ”】セッションして踊ってみた
「バイオリンを弾く際に大切になるのは膝です。バネをうまく使って体への負担を減らしましょう。」
米野賭欄譜(ベイノトランプ)は初回スタジオ練習ということで張り切っていたが、いきなり出鼻を挫かれてしまった。
アンプの前で堂々と外患誘致をしているギタリストがいて注意をしようとしたが、それ以上に目を引くドラマーがいた。ドラムセットの真ん中にいるドラマーは左で頬杖をつき徐に横で演奏されているピアニストの交響曲第九番に夢中になっている。また、上半身を振動させながら下半身ではコサックダンスを踊り続けている。
「えーと坂東羅夢さん、君はそんなにこの練習が退屈かね?」
坂東羅夢はこちらを一切見ずに答えた。
「貴方の練習は退屈ですよ。バイオリンを弾くときに膝使う必要なんてあるんですか。」
米野はメンバー相手に怒りを覚えてしまったことを非常に情けなく思った。一体感を大切にするグルーヴ、一人一人が自分らしさを発揮できるようなバンドにしたいという自身のリーダーとしての野望は、実は薄っぺらい理想のような気がしてしまった。しかし、まだ結成して間も無くであるので態度に出さないようにすれば、私はリーダーとしてあり続けられるだろう、そのように考えなるべく優しく諭すようにいった。
「そんなに気になるならシンバルでも飛び越して参加してきなさい。」
少し嫌味を含んだ言い方になってしまったことを後ろめたく思う暇もなく、坂東は動いた。
「ありがとうございまーす。」
その瞬間、本当にシンバルを飛び越えて天井に突き刺さってしまった。何が起きたのか理解できず、慌てて周囲のメンバーを見た。時が止まったかのような静けさに違和感を感じたが、首から下でリズムを取っている様子に全てがどうでもよくなった。
「それでは私の合図で演奏を始めてください。」自身の内なる修羅が呼び起されているのを感じながら、どこぞのお笑い芸人のように、どう猛なライオンのように、そして地獄の番人のような形相で勢いよく膝を曲げた。
「VEAH!!」
本家様:https://youtu.be/iSsct7423J4
猫: ミクチャン家のMogwaiちゃん
(外患誘致をしている)ギター: 室タタタ (https://twitter.com/Muro_tatata)
(交響曲第九番を演奏している)ピアニスト: カンナンアキホ (https://twitter.com/ls_F_akipo)
ドラム(坂東羅夢): キョ。 (https://twitter.com/kyontama0306)
バイオリン(米野賭欄譜): はぐ (https://twitter.com/hugs3moca)
スタジオ246様、ジャンカラ様、ありがとうございました。
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