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【戦闘曲,変拍子,特殊な音階”メシアンNo.3″(概要欄で解説)】 『紅蓮の叫喚』

Jun 22, 2026 ツグミ

活動210曲目、変拍子の戦闘BGMです。
特殊な音階、通称『メシアンNo.3』(Messiaen Mode 3)を主音階として使っています。
せっかく珍しい音階を使ったので、音楽理論の解説をさせてください。
 
メシアンNo.3は全音-半音-半音のインターバルを繰り返す幾何学的な音階です。
今回は主音がAなので、スケールの構成音は
A、B、C、C♯=D♭、D♯=E♭、E、F、G、G♯=A♭、A
(独:A、H、C、Cis=Des、Dis=Es、E、F、G、Gis=As、A)
となっています。チェレプニン音階のキーCなどと同じ音です。
 
この曲は伴奏も含めて全て上記の構成音で書いています。
曲中で転調したり全音音階になったりしていますが、全て上記の構成音の範囲内です。
この音階が持つ様々な可能性の中から、今回はダークな戦闘曲として使いやすい要素を抽出して作曲しました。
動画にコードネームを記載したので、この音階ならではのコード進行の一例としてお楽しみください。
 
この音階はオリヴィエ・メシアンが提唱した『移調(移高)の限られた旋法』(メシアン・モード / MTL)の第3番(第三旋法)です。
長三度ごとに同じ音程を繰り返す並進対称性を持つシンメトリックスケールで、「移調(移高)の限られた」というのは例えばキーAとキーC♯/D♭とキーFで同じ構成音になるといった意味です。
無調の音楽を作るのに使われたり、ジャズ/フュージョン界で使われて広まりつつある音階です。
 
メシアンNo.3にはホールトーンスケール(全音音階)の音が全て揃っていて、更にm3、P5、M7の音があります。
ホールトーンスケールだけではメジャーやマイナーのトライアドは作れませんが、メシアンNo.3は更に3音あることによってそれらのコードを色々と作ることができます。
逆に言えばm2、P4、M6の3音だけが無い音階ですが、かなりクロマチック寄りな性質なのでスケール外の音を混ぜても違和感ない可能性は十分にあると思います。
 
メシアンNo.3を主音階とした時に構成音で作れる代表的なコードは、
メジャーコード/マイナーコードは共にI、♭III、III、V、♭VI、VIIの6種ずつ。
augはなんと9種(スケールの音全て)。
dimとsus2はI、III、♭VIの3種。
sus4は♭III、V、VIIの3種。
音の数が多いスケールなので、構成音だけでも多数の和音が作れます。
 
この曲はメシアンNo.3を短調に寄せて使いつつシンメトリックな要素を強調しましたが、この音階には他にも様々な選択肢があります。
長調の和音もありますし、調性を出さない無調の曲も作れたり、シンメトリックな要素を前面に出すか出さないかでも雰囲気が変わったり、色んな使い方ができる音階です。
今回は主音階として使いましたが、コードごとにスケールを当てはめる用法もあってそちらも面白いです。
とても研究しがいのある音階だと思うので、興味ある方はぜひ挑んでみてください。
 
作曲:ツグミ 
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イラスト:イラストAC
 
#自作曲 #オリジナル曲 #DTM